Seagate Exos X14 14TBにクローンできない原因と解決策(4Kn→512e変換)

はじめに

データ復旧の現場では、大容量HDDへのクローン(イメージコピー)が日常的に行われています。当社ではACELab社のPC-3000 UDMAを使用していますが、最近Amazonで購入したリファビッシュ品のSeagate Exos X14 14TB(ST14000NM0018)をDestination(コピー先)として使用した際、クローンが開始直後に失敗するという問題が発生しました。

本記事では、この問題の原因究明から解決までの過程を共有します。同じ問題でお困りの方の参考になれば幸いです。

発生した症状

PC-3000 UDMAでクローンを開始すると、Destination(Exos X14 14TB)のマウント時に以下のエラーが発生しました。

Mount HDD as Read write
HDD needs reset
HDD needs reset
Sector 1(1) write error: Write sectors ext error HDD Readiness timeout (10000)
Sector 129(1) write error: Write sectors ext error HDD Readiness timeout (10000)
Maximal read/write block size - 128 sectors

注目すべきポイントは以下の通りです。

  • 「HDD needs reset」が繰り返し出現(SATAリンクの再確立が必要な状態)
  • セクタ1の書き込みで即座に失敗(先頭セクタから書けない)
  • PC-3000 Portable IIIでは同じドライブで正常にクローン可能

試した対策(効果なし)

当初はSATA信号や電源の問題を疑い、以下を試しましたが、いずれも効果がありませんでした。

  1. SATAケーブルの交換 → 変化なし
  2. SATA速度をUDMA100に制限 → 変化なし
  3. 電源をPSUから直接供給に変更 → 変化なし
  4. diskpart cleanの実行 → 変化なし(元々RAW状態)

原因の特定:4Kネイティブ(4Kn)セクタフォーマット

WindowsのGet-Diskコマンドで確認したところ、根本原因が判明しました。

LogicalSectorSize  : 4096 bytes
PhysicalSectorSize : 4096 bytes

このExos X14は4Kn(4K Native)セクタフォーマットでした。

セクタフォーマットの種類

フォーマット論理セクタ物理セクタ説明
512n512バイト512バイト従来のフォーマット
512e512バイト4096バイトエミュレーション(互換性あり)
4Kn4096バイト4096バイト4Kネイティブ(互換性に注意)

PC-3000 UDMAのPCI SATAコントローラは512バイト単位でセクタを書き込むため、論理セクタサイズが4096バイトの4Knドライブには正しく書き込めません。一方、PC-3000 Portable IIIのSATAコントローラは比較的新しい世代のため、4Knに対応しており正常にクローンできていました。

なぜリファビッシュ品で4Knなのか

Seagate Exos X14 14TBは、出荷時のセクタフォーマットが512eのモデルと4Knのモデルの両方が存在します。Amazonなどで販売されているリファビッシュ品は、元々データセンター向けに4Knで出荷されたモデルである可能性があります。データセンターでは4Knの方がオーバーヘッドが少なく効率的なため、4Knモデルが使用されることがあります。

解決策:openSeaChestによるFast Format

Seagate公式のコマンドラインツール「openSeaChest」を使用して、セクタフォーマットを4Knから512eに変換できます。

手順

1. openSeaChestのダウンロード

openSeaChest GitHub ReleasesからWindows版をダウンロードします。

2. ドライブをSATAに直接接続

重要:USB-SATA変換アダプタ経由では変換コマンドが実行できません。必ずマザーボードのSATAポートに直接接続してください。USB経由ではATAコマンドが正しくパススルーされないためです。

3. ドライブのスキャンと確認

管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行します。

openSeaChest_Format.exe --scan
openSeaChest_Format.exe -d PD0 --showSupportedFormats

対応フォーマット一覧で512が表示されることを確認します。

 Logical Block Size  PI-0
                512     Y
*              4096     Y     ← 現在のフォーマット

4. セクタサイズの変換

openSeaChest_Format.exe -d PD0 --setSectorSize 512 --confirm this-will-erase-data-and-may-render-the-drive-inoperable

注意事項:

  • ドライブ上のデータはすべて消去されます
  • 変換中は絶対に電源を切ったり、ケーブルを抜いたりしないでください
  • 通常1〜2分で完了しますが、最大1時間かかる場合があります
  • OSのバックグラウンド処理によるリセットを避けるため、他のアプリケーションは終了してください

5. 変換結果の確認

Logical Sector Size (B): 512
Physical Sector Size (B): 4096

論理セクタサイズが512バイトに変更され、512eフォーマットになりました。

変換後の結果

512eに変換したExos X14をPC-3000 UDMAのDestinationに接続したところ、「HDD needs reset」エラーは一切発生せず、正常にクローンが開始されました。

Scan process
    start  time 2/19/2026 6:12:13 AM
    finish time 2/19/2026 6:12:20 AM
    total time 00:00:07
Copying...

当社では同じロットのExos X14 14TBを5台購入しましたが、すべて4Knフォーマットでした。openSeaChestを使用して全台を512eに変換し、PC-3000 UDMAで問題なく使用できるようになりました。

まとめ

  • PC-3000 UDMAでDestinationドライブへの書き込みが「HDD needs reset」で失敗する場合、4Knセクタフォーマットが原因の可能性があります
  • 特にAmazonリファビッシュ品のエンタープライズHDDは4Knモデルの可能性が高いため注意が必要です
  • Seagate openSeaChestのFast Formatで4Kn→512eに変換することで解決できます
  • 変換はSATA直接接続が必須(USB経由では不可)
  • 変換所要時間は1〜2分程度で、ドライブの再利用に影響はありません

データ復旧の現場ではこのような予期しない互換性問題に遭遇することがあります。本記事が同様の問題を抱えている方の参考になれば幸いです。

本記事で使用した製品

【整備済み品】Seagate Exos X14 14TB HDD 3.5インチ 7200RPM SATA 6Gb/s 256MB キャッシュ(ST14000NM0018)

※ Amazonリファビッシュ品のため、4Knフォーマットの場合があります。本記事の手順で512eに変換可能です。

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