“被災パソコン”を直せ…会社のデータも思い出も復活で笑顔
この度、弊社のデータサルベージに関する報道について、皆様にご紹介させていただきます。提供いただいた動画は、東日本大震災における津波で水没したパソコンからのデータ復旧に焦点を当てたものであり、弊社の活動が取り上げられています。
弊社では、津波などにより水没して動かなくなったパソコンのデータ復旧作業を行っております。仙台市内のビルには、泥まみれになった大量のパソコンが集まっていました。これらは泥まみれではありますが、持ち主にとっては大切な財産であり、かけがえのない思い出が詰まっているからです。
通常、データ復旧には1台あたり30万円ほどかかりますが、被災された皆様の状況を考慮し、5万円程度で引き受けさせていただいております1。しかし、パソコン内部が海水で錆びてしまうため、震災直後には80%だったデータ復旧できる確率が、取材時点では10%ほどに落ち込んでいるという厳しい状況でした。
報道では、宮城県石巻市で印刷会社を経営されていた松本彦さんの事例が紹介されています。会社は津波で見る影もなくなり2、会社の財産である顧客データや印刷物のデザインなどが詰まったパソコン30台全てが水没しました。松本さんは「あの時1台でもパソコンを持ち出していれば」と悔やまれており、「できるのとできないのでこれからの立ち上がりが全然違いますね」と、事業再建におけるデータ復旧の重要性を語られています。一部のデータは復旧できましたが、特に重要な松本さんご自身が使っていたパソコンのデータはまだ復旧できていませんでした…。ゼロから全てを作り直す作業は膨大なものになるとのことでした。
また、同じく石巻市で被災された狩野さん夫婦の事例も取り上げられています。震災4ヶ月前に長男が誕生したばかりで、思い出が詰まった家でしたが、津波で自宅が水没し3、長男の成長記録を始め、結婚後に撮った写真が全て詰まっていたパソコンも無残な姿になってしまいました。風呂もない厳しい環境での生活を余儀なくされる中で、思い出は心の支えとなっていたとのことです3。パソコンを託されてから2ヶ月後、思い出の写真データが復旧しました。画面に映し出されたのは、社内恋愛中のデート写真、結婚記念写真、そして長男の誕生写真でした。夫婦は「お金をかけても戻って良かった」と話し、「思い出もね、一緒にね、普通に戻ってくれたらラッキーかな」と、思い出の復活が前を向いて暮らしていくための大きな励みになることを語られています。
この報道を通して、災害時におけるデータの復旧が、企業の事業継続だけでなく、個人の心の支え、そして復興への大きな励みとなることを改めて認識いたしました…。同時に、災害時におけるデータの保存方法が、今後の大きな課題になるだろうと指摘されています。メインサーバーのミラーリングなど、対策を検討していく必要があると考えております。
弊社は、これからも技術の限りを尽くし、大切なデータを取り戻すお手伝いを続けてまいります。